IR汚職 秋元被告初公判(1)「陣中見舞いの事実ない」全面無罪主張

 《カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業をめぐる汚職事件で、収賄などの罪に問われた衆院議員、秋元司被告(49)らの初公判が29日、東京地裁(丹羽敏彦裁判長)で開かれた》 《秋元被告は保釈中に汚職事件の偽証を依頼した証人買収事件を含め、これまで4度にわたり逮捕、起訴されている。すでに贈賄側や支援者らは全員有罪が確定しており、秋元被告が法廷でどんな主張を展開するのかが注目される》 《開廷時刻の午後1時半前に法廷に姿を現した秋元被告は、ノーネクタイのスーツ姿。マスクは鼻全体が見えるほど浅く着用しており、胸に議員バッジはなかった。以前は黒々としていた頭髪はほぼ全体が真っ白になっており、収監前と大きく印象が変わっていた》 裁判長「名前は」 秋元被告「秋元司です」 裁判長「職業は」 秋元被告「衆院議員です」 《被告人席に戻った秋元被告は、弁護人からメモを受け取った。この後の罪状認否で話す内容が記されているのだろうか。検察官が5分ほどかけて起訴内容を読み上げる間、秋元被告は検察官の方を見ながら、小刻みにうなずくように何度も頭を動かした。裁判長から再び証言台に立つよう促されると、小さく手をあげて立ち上がった》 秋元被告「申し上げます。まず、今回の疑惑は己の不徳で、課せられた職責を十分に果たせないことは申し訳ありません。支援してくれた松浦(大助)氏、淡路(明人)氏、関係の方に罪を負わせてしまったことは申し訳ありません。しかし、起訴された事件はすべて無罪です」 《罪状認否を、今回の事件に関わった自身の支援者への謝罪の言葉から始めた秋元被告。だが、事件そのものについてはひときわ大きく声を張り、無罪を訴えた》 秋元被告「私の政治理念は、持続可能な国家・地域づくりにあります。常に民間の代表として、机上の空論では駄目で、現場を見て政界に生かしたいと思っていました。経済活性化、雇用の安定、そして福祉という循環を維持していく。政治家の目指すひとつがIRと考えてきました」 《秋元被告は、IR事業の意義をこう強調する一方、議員立法のIR法案については「他の議員に任せていた」とした。贈賄側の中国企業「500ドットコム」から現金などの利益供与を受けたとされる今回の事件について、自らの主張を述べ始めた》 秋元被告「(議員会館で現金300万円の供与を受けたとされる)平成29年9月28日の陣中見舞いについて、この日に500社と面会した事実はなく、受け取っていません。9月28日は衆院解散の日で、早朝からスケジュールがいっぱいで、昼頃に議員会館に戻るのは無理です。面会は役所のスケジュールにも記載されていません」 「平成29年8月の沖縄での講演料については、講演を金銭で判断したことはなく、金額を交渉したこともありません。賄賂として(講演料を)もらうことはありえません。500社以外にも、テレビ出演やパネラーとして講演したことはありますが、テーマや日時、主催者に問題がなければ引き受けていました」 「沖縄の講演会も、IRに深い造詣があったわけではなく、他の方がいいのでは、と思っていました。当時、夏に衆院選の可能性があるといわれていたが、選挙が無くなり引き受けました。会社に講演料が振り込まれたことを知りましたが、大掛かりな大会だったので、企画料が入ったのかと思っていました」 《秋元被告は、中国・深センとマカオへの旅行代金を肩代わりしてもらったことについても、罪に当たらないとの主張を展開していく》 「深セン、マカオ視察については、(自分の)事務所で負担する認識でした。中国ITベンチャーの中心、深センを訪れてみたいと思い、500社に水先案内人をお願いした。マカオでは500社のライバル社も訪れています。視察に誘った国会議員には『(旅費は)私が持つ』と事前に伝えていました」 《秋元被告は妻子を帯同した北海道旅行についても、賄賂性を否定する》 秋元被告「北海道旅行も事務所が負担したと思っていました。北海道のリゾートは初めてで、ニセコの高い評価もあり、普段、子供たちとの時間が取れないので、この機会にと思いました。旅程は確認しましたが、費用や予約については任せていました」 「偽証の依頼をしたことも一切ないが、結果的に罪となってしまいました。陣中見舞いは、私が経験していないことを500社が(あったと)供述している。私の弁護士と会ってほしいと淡路氏、松浦氏に伝えたが、偽証の依頼はしていません。ぜひとも公正なる裁判をお願いいたします」 《秋元被告が被告人席に戻った後、同時に審理されている元政策秘書の豊嶋晃弘被告(42)も続けて証言台に立ち、秋元被告との共謀は「一切なかった」と主張した》=(2)に続く

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