目黒女児虐待死、母親被告人質問詳報(6)体重激減の結愛ちゃんの体見れず 死亡告げられ「倒れました」

 《東京都目黒区で昨年3月、船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時(5)=が両親から虐待を受けて死亡したとされる事件で、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の優里(ゆり)被告(27)の裁判員裁判の第3回公判で、午後から始まった弁護側の被告人質問が続く》 《結愛ちゃんには「めざましどけいをはやくとめる」などの「約束事」があった。昼まで寝ていることもあったという優里被告の夫、雄大(ゆうだい)被告(34)=同罪などで起訴=の睡眠を妨げないようにするためだったが、結愛ちゃんの食事時間をつくるためでもあった》 弁護人「雄大さんが寝ているときは結愛さんに食べさせることはできましたか」 優里被告「はい」 弁護人「亡くなるまでその状況は続いていましたか」 優里被告「はい」 《次第に「ご飯を食べたくない」と訴えるようになったという結愛ちゃん。それに対して「ダイエットになっていいじゃないか」と話したという雄大被告。母親として子供を心配する気持ちを持つ一方、厳しい食事制限などを課す雄大被告に対する印象を問われると、優里被告は当惑した様子を見せた》 弁護人「『ダイエットになってよい』などという雄大さんに対してひどいやつだと思いませんでしたか」 優里被告「私が…ひどいやつ?」 弁護人「なんてひどいことをすると思わなかったんですか」 《優里被告は困惑した様子で答えられない》 弁護人「表現できませんか」 優里被告「分かりません」 《結愛ちゃんが吐いたものが髪につき、洗ってあげようとお風呂に入れたことに質問は移る》 弁護人「結愛さんの体を見ましたね」 優里被告「はい」 弁護人「どういう状況か言えますか」 優里被告「…」 《言葉を紡ぐことができない。続く質問に悲しみをこらえるかのように声を振り絞って応じていく》 弁護人「体を見てどうしましたか」 優里被告「見れなくて、バスタオルでふきました」 弁護人「見れなかったんですか」 優里被告「はい」 《当時、体重が激減していた結愛ちゃん。一方で、その状況が危険だと認識していなかったという優里被告。ただ、その考えに至る複雑な背景を述べていく》 弁護人「日に日に結愛さんの体重が落ちていますが、それでも心配にならなかったんですか」 優里被告「それを見ても、全体的にこの体重は危ない、というのじゃなくて、前日から100グラム減ったとか、200グラム減ったとかそういうことしか頭になかったです」 弁護人「100グラム減った、200グラム減ったのは、あなたに何の意味があるんですか」 優里被告「100グラムでも減ったら結愛がお菓子とかを食べられるから。それで…。結愛を喜ばせたいと思ってしまいました」 《優里被告は手作りのガトーショコラやドライフルーツ、結愛ちゃんの好物だったというチョコやチーズを、雄大被告が留守だったり、寝ていたりするときを見計らって食べさせていたという。質問は結愛ちゃんが亡くなった3月2日のことへ移る》 弁護人「どうして2人だけになったんですか」 優里被告「雄大にとにかく外に行ってほしいとお願いしました」 弁護人「どうしてですか」 《雄大被告が家にいることが結愛ちゃんのストレスになると考え、そう告げたという。DVDを見たり、話をしたりしていた結愛ちゃんからは笑顔も見られたと説明。外出中の雄大被告に電話で結愛ちゃんの体調について相談したが、「うんちが出たなら大丈夫」とする雄大被告の説明に従い、結愛ちゃんを病院に連れて行くことはなかった》 弁護人「病院にはいつ連れて行こうと思いましたか」 優里被告「いつでも、いつでもずっと…。体調が悪くなる前に誰かに助けを求めるとか。親には、結愛にあざができた時点で助けを求めないといけなかった」 弁護人「誰かに助けを求めることは」 優里被告「考えが出ないし、浮かばないです」 《衰弱していく結愛ちゃんを病院に連れて行くことがなかった一方で、雄大被告と血のつながった長男には過剰とも言える対応を優里被告は求められていた》 弁護人「息子は病院に連れて行ってましたか」 優里被告「はい」 弁護人「結愛さんを病院に連れて行こうとは」 優里被告「言えなかったです」 弁護人「どうして言えなかったんですか」 優里被告「雄大のことを私が気にしすぎていたからです」 弁護人「止められる、怒られると思いましたか」 優里被告「雄大に怒られるどころじゃ済まないと思いました」 弁護人「息子は大事にしようとしていましたか」 優里被告「とても大事に扱わないと雄大の機嫌が悪くなることの一つでした。かすり傷一つあると病院に連れて行かないと雄大に責められる」 《弁護人からの質問の終わりでは、結愛ちゃんの最期について優里被告の口から語られた》 弁護人「結愛さんに心臓マッサージをしていましたか」 優里被告「とにかく心臓を押すので必死でした。(何かを)思うんじゃなくて、心臓を押さないといけない。押すことに集中してそのことしかなかった」 弁護人「結愛ちゃんが亡くなったと告げられてどうなりましたか」 優里被告「倒れました」 《2時間を超える弁護人の被告人質問が終わり、裁判官が休廷を告げる。優里被告は、無表情で証言台からゆっくりと弁護側の席へ戻っていった》=(7)に続く

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