目黒女児虐待死、母親被告人質問詳報(3)「怖い、悲しい、痛い、つらい」夫の暴行止められず

 《東京都目黒区で昨年3月、船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時(5)=が両親から虐待を受けて死亡したとされる事件で、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の優里(ゆり)被告(27)の裁判員裁判では、弁護人による被告人質問が続いている。結愛ちゃんが、父親の雄大(ゆうだい)被告(34)=同罪などで起訴=から暴行を受けたときの状況について、詳細な状況が明らかにされていく》 弁護人「結愛さんはどこで何をしていたんですか」 優里被告「どこ?」 弁護人「寝ていた? 立っていた?」 優里被告「寝てました」 弁護人「おなかのあたりをサッカーボールのように蹴ったということですね」 優里被告「はい」 《優里被告は憔悴(しょうすい)したような、涙混じりの声で答える》 弁護人「止められなかったんですか」 優里被告「止められませんでした」 弁護人「どうしてですか」 優里被告「体と口が動かなかったです」 弁護人「涙は出ましたか」 優里被告「自分では分からないけど、雄大にそのときに『お前が泣いている意味が分からない』と言われたので涙が出ていたんだと思います」 弁護人「やめて、と言えたんですか」 優里被告「雄大の暴行が止まって、少しして言いました」 弁護人「それに対し雄大さんは何と言いましたか」 優里被告「『お前が結愛をかばっている意味が分からない』って」 弁護人「お説教が始まったのですか」 優里被告「そのときの前後の記憶がないのでお説教までは分からないです」 弁護人「そのときの気持ちは、どういう風なこととして残っていますか」 優里被告「怖い、悲しい、痛い、つらいです」 弁護人「そのことを時々思い出すことはありますか」 優里被告「はい」 弁護人「どんなときですか」 優里被告「急にふっと思い出すから、どんなときかは自分でも分かりません」 弁護人「このとき、雄大さんは結愛さんへの暴力を認めていましたね」 優里被告「はい」 《ここで質問は結愛ちゃんが児童相談所に保護されたときの状況に移った。初公判では、結愛ちゃんが児相に一時保護されたのは平成28年12月、29年3月の2回とされていた》 弁護人「あなたも結愛さんと児相に行きましたね」 優里被告「はい」 弁護人「警察へは行きましたか」 優里被告「警察の人が(結愛ちゃんを)連れて行ってくれました」 弁護人「警察官から何か聞かされませんでしたか」 優里被告「女性の警察官に、結愛は『これから施設に移ることになります』と説明を軽く受けました」 弁護人「あなたへの暴力は確認されましたか」 優里被告「確認はされていません」 《こう述べると、優里被告はせきを切ったように当時の状況を話し始めた。気持ちが高ぶったのか、後半は涙声だった》 優里被告「暴力に対してというよりかは…。車の中で女性警察官が横に座り、『これから施設に移ることになります』と言いました。『私もついていきたい』と言うと、『あなたにはあざがありますか? 暴行されていますか、夫に?』と聞かれ、私は体にあざがなかったので、暴行も殴られることと思っていたから『暴行はされてません』って。『私も結愛の施設についていきたい』と2回言いましたが、警察官に『携帯電話も使えないところよ』と言われ、結愛についていったら不都合なことがあるのかと思って。取り乱しても結愛を帰してもらえなくなると思い、(それ以上)『私も結愛についていきたい』と言えなくて黙っていました」 弁護人「結愛さんが『ママもたたかれている』と言っていたにもかかわらず、そのままになったのですか」 優里被告「はい」 弁護人「女性相談員と電話で話しましたか」 優里被告「私の記憶が悪いから、ごちゃごちゃになっていて分からないんです」 弁護人「相談の担当者からシェルターについて説明はありましたか」 優里被告「分からないです」 《次に2回目の保護について確認された。雄大被告は2回目に結愛ちゃんが保護されたときには、自身の暴行を認めなかったといい、優里被告も暴行しているところは見ていないという。しかし、結愛ちゃんは唇をけがしていた》 優里被告「(雄大被告は)私には唇が乾燥して切れたと説明してきました」 弁護人「おなかのあざは」 優里被告「説明はされたと思います」 弁護人「俺じゃないということで」 優里被告「はい」 弁護人「どう思いましたか」 優里被告「雄大がまた結愛のことを悪者にしているとすごく腹が立ちました」 弁護人「雄大さんは結愛さんのことをこのことで何と言っていましたか」 優里被告「嘘つき」 弁護人「2回目の保護での児相と検察、警察の対応について伺います。まず、雄大さんは児相の言うことを聞きましたか」 優里被告「『児相の人は他人だから、結愛のことを考えていない。マニュアル通りに勧めている。結愛のことを考えているのは母親のお前でもなく俺なんだ』と言っていました」=(4)に続く

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